はじめに
相続人や相続財産の内容が分かった後、次に行うのが遺産の分け方の話し合いです。
遺言書がない場合は、相続人同士で「誰がどの財産を引き継ぐのか」を決める必要があります。
今回は、遺産を分ける際の基本的なルールや注意点について解説します。
遺産分割協議とは?
遺言書がない場合は、預貯金や不動産などの財産を誰が引き継ぐのかについて、相続人全員で話し合います。
この話し合いを「遺産分割協議」といいます。
法定相続分どおりに分けなければならない?
民法には、「法定相続分」と呼ばれる相続割合の基準が定められています。
例えば、配偶者と子どもが相続人の場合は、配偶者が2分の1、子ども全員で2分の1が法定相続分となります。
しかし、必ず法定相続分どおりに分けなければならないわけではありません。
相続人全員が同意していれば、
- 母親が今後も住み続けるために実家を相続する
- 長年親の介護をしていた子どもが多めに相続する
- 農業を続ける子どもが農地を引き継ぐ
といった分け方も可能です。
ただし、話し合いがまとまらず家庭裁判所での調停や審判になった場合には、法定相続分が基準となります。
相続人全員の同意が必要
遺産の分け方は、相続人全員の同意があって初めて決めることができます。
相続人が一人でも欠けた状態で協議を行うと、その内容が無効になる可能性があります。
そのため、前回までに解説した戸籍収集によって、相続人を正確に確認しておくことが大切です。
また、相続人全員が一か所に集まらなければならないわけではありません。電話やオンライン、郵送などを利用して進めることも可能です。
協議がまとまった後に「聞いていない」「そんなつもりではなかった」といったトラブルにならないよう、財産の内容や分け方を十分に確認しながら進めることが大切です。
未成年者や認知症の相続人がいる場合
相続人の中に未成年者や認知症などにより判断能力が十分でない方がいる場合は、そのまま遺産分割協議を行うことができないケースがあります。
例えば、未成年の子どもと親がともに相続人となる場合には、特別代理人の選任が必要になることがあります。
また、相続人に判断能力が十分でない方がいる場合には、成年後見制度の利用を検討することがあります。
このようなケースでは、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
不動産がある場合は特に注意
相続財産の中でも、話し合いがまとまりにくいのが実家や土地などの不動産です。
預貯金と違って簡単に分けることができないため、誰が取得するのか、売却して代金を分けるのかなどを検討する必要があります。
不動産がある相続では、早い段階から相続人同士で十分に話し合っておくことが大切です。
なお、不動産の具体的な分け方や注意点については、次回の記事で詳しく解説します。
話し合いがまとまったら
遺産分割協議で合意した内容は、「遺産分割協議書」として書面にまとめます。
遺産分割協議書には、誰がどの財産を相続するのかを記載します。
遺産分割協議書は、預貯金の払戻しなど、その後の相続手続きで利用する重要な書類です。
財産の記載方法や内容に不備があると、手続きに支障が生じることもあるため、内容を十分に確認したうえで作成することが大切です。
まとめ
遺産分割協議のポイントは次のとおりです。
- 遺言書がない場合は、相続人全員で遺産の分け方を話し合う
- 法定相続分どおりに分ける必要はない
- 相続人全員の同意が必要
- 未成年者や認知症の相続人がいる場合は特別な手続きが必要になることがある
- 合意した内容は遺産分割協議書として書面にまとめる
次回は、
「兄弟で実家の分け方が決まらないときは?不動産相続のよくある悩み」
について解説します。
誰が住むのか、売却するのか、共有にするのかなど、不動産相続でよくある悩みや考え方について分かりやすく解説します。

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