建設業許可の「誠実性」とは?対象者や不正・不誠実な行為を解説

はじめに

建設業許可を取得するためには、経営業務の管理責任者等や営業所技術者等の要件だけでなく、「誠実性」の要件も満たす必要があります。

「誠実性」と聞くと、人柄や性格を審査されるように感じるかもしれません。しかし、建設業法上の誠実性は、人柄の良し悪しを判断するものではありません。

今回は、建設業許可における誠実性の意味や対象者、不正・不誠実な行為の具体例について分かりやすく解説します。

建設業許可の誠実性とは

誠実性とは、請負契約の締結または履行にあたり、不正または不誠実な行為をするおそれがないことをいいます。

建設業許可では、技術力や経営経験だけでなく、請負契約を適正に締結し、その内容を誠実に履行できることも求められています。

不正または不誠実な行為とは

誠実性の判断では、「不正な行為」と「不誠実な行為」が問題となります。

不正な行為

不正な行為とは、請負契約の締結や履行に関して行われる詐欺、脅迫、横領、文書偽造などの違法行為をいいます。

例えば、

  • 虚偽の説明をして契約を締結する
  • 工事実績や保有資格を偽って受注する
  • 契約書類を偽造する

といった行為です。

不誠実な行為

不誠実な行為とは、請負契約に違反する行為をいいます。

例えば、

  • 工事代金を受け取ったにもかかわらず工事を行わない
  • 契約内容と異なる施工を行う
  • 正当な理由なく工期を守らない

といった行為です。

誠実性は誰が対象になるのか

個人事業主の場合は本人が対象となります。

法人の場合は、

  • 法人そのもの
  • 役員等
  • 政令使用人(支店長や営業所長など)

が対象となります。

そのため、会社自体に問題がなくても、役員等や政令使用人に不正または不誠実な行為があった場合には、許可要件に影響することがあります。

一般建設業許可と特定建設業許可で違いはある?

誠実性の要件は、一般建設業許可と特定建設業許可で共通です。誠実性の判断基準に違いはありません。

誠実性はどのように判断されるのか

誠実性について明確な点数基準が設けられているわけではありません。

許可行政庁は、申請内容や過去の法令違反歴、行政処分歴などを踏まえ、不正または不誠実な行為をするおそれがないかを総合的に判断します。

なお、建設業許可には「欠格要件」もありますが、誠実性とは別の要件です。欠格要件が法律上定められた一定の事由に該当するかどうかを判断するものであるのに対し、誠実性は不正または不誠実な行為をするおそれがないかという観点から判断されます。

また、誠実性は人柄や性格を審査するものではありません。インターネット上の口コミや評判によって判断されるものでもなく、過去の法令違反歴や処分歴などの客観的な事実に基づいて判断されます。

よくある誤解

過去に契約トラブルがあると建設業許可は取れない?

必ずしもそうではありません。

工事内容の認識違いや工期変更など、通常の取引の中で生じるトラブルだけで、直ちに誠実性が否定されるわけではありません。

問題となるのは、詐欺や重大な契約違反など、不正または不誠実な行為があった場合です。

軽微な法令違反があると誠実性を欠く?

軽微な法令違反があるだけで、直ちに誠実性が否定されるわけではありません。

もっとも、重大な法令違反や行政処分歴がある場合には、誠実性の判断に影響することがあります。

まとめ

建設業許可における誠実性とは、請負契約の締結または履行にあたり、不正または不誠実な行為をするおそれがないことをいいます。

ポイントは次のとおりです。

  • 誠実性は人柄や性格を審査するものではない
  • 詐欺や契約違反などの有無が問題となる
  • 個人事業主は本人、法人は役員等や政令使用人も対象となる
  • 一般建設業許可と特定建設業許可で誠実性の基準に違いはない
  • 欠格要件とは別の許可要件である
  • 過去の法令違反歴や処分歴などの客観的事実をもとに判断される

申請前には、自社や役員等に誠実性の要件に関わる問題がないか確認しておくことが大切です。

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